ご無沙汰しております、亙です。
今日は11月27日。
「とある魔術の電脳戦機」の開発はいよいよ山場を迎えておりまして、今日も厳しい選択を迫られたり、モタモタしていて叱られたり、といわゆる修羅場です。
でも、そんな開発クライマックスな状況とは別に、今日という日はバーチャロンにとって特別な日です。
なぜかというと、22年前の今日、1995年11月27日の午後20時頃、初代電脳戦機バーチャロンのROMが申し送られた、つまり誕生日だからです。
22年前の今日、開発チームでは最終調整が行なわれておりました。
それまでどちらかというと地味な機体だったはずのバル・バス・バウが、実は最強なのではないかという疑惑が浮上しており、本来なら夕方にROM出しする予定が延々とチェックが続き、「まあ、こんなもんか」と落ち着いたのが20時頃でした。数日前からの徹夜続きでスタッフは消耗していましたけれども、最後までよく頑張ってくれたと思います。
その後、生産が始まった筐体は年明けから本格的に全国に出荷され、各地のゲーセンでキュイーンキュイーンと甲高いダッシュ音が響くようになりました。
以後、ありがたくも皆さまのご愛顧をいただき、おかげさまで本日、22歳を迎えることができました。
誠に有難うございます。
これまでを振り返ると、初代OMG、オラトリオ・タングラム、フォース、そしてマーズとシリーズ作品のリリースが続いた後、2003年からの10数年に及ぶ休眠期間の長さが目につきます。
この間、関係者は決して無策だったわけではなく、毎年のようにバーチャロンの新企画が出され、しかしその都度没になるという嫌なルーチンが続きます。かつて苦労を分かち合ったスタッフも、徐々に別のプロジェクトへ、あるいはセガを離れて別の分野へ、といった形で散り散りになっていき、気がつけば社内でバーチャロンのプロジェクト化云々と叫んでいるのは私一人になってしまいました。
過去IPとして人々の記憶から消え去っていく様子を目の当たりにしつつ、それでも、バーチャロンを愛する人、そしてまだバーチャロンを知らない人たちにその魅力を伝えていきたい。私が社から去る日がきても、熱意ある人達が後に続いてバーチャロンを継承していけるような、そんな流れを作っていきたい。そんなことを思いつつ、結果が出せないまま時はたち、でも今ようやくこうして新作「とある魔術の電脳戦機」の発売が決定し、リリースも間近に迫っているわけです。
諦めないって、大切なんだなとしみじみ思います。
そして、今までバーチャロンを愛し、支えてくれた人にあらためて感謝します。
皆さまの思いにこたえ続けていけるように、新しいバーチャロンの流れを作っていければ本望です。
なにとぞ、よろしくお願いします。