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電脳戦機バーチャロンは、電脳暦の世界を舞台に繰り広げられる一大 叙事詩である。複雑な事象の交錯から紡ぎだされる物語の数々は、圧倒 的な情報量を背景に、時に華飾、時に辛辣、またある時は滑稽にかろや かな瞬きをもって人々を翻弄してきた。それは過去、様々な場で鮮烈な 姿を現し、やがて語り継がれることもなく朽ち果て、散逸していった。 もとより、とき放たれた言葉が意味をかえ、力を失い、霧散していくの を止める手立てはない。だが、あたかもそれを是認するかのような沈黙 や無頓着な態度が、送り手の側にあったことも否めない。
流れる時は求める心の灯を消し去るにはいたらず、やがて一つの契機 が得られた。今、かたく閉ざされた門は開け放たれ、その内側を垣間見 ることが許される。真なる知識を我がものとする機会を手放すのは罪悪 に等しく、おそらく人々は労苦を厭わない。
ここにささやかな一文を上梓する。砕け散った夢の欠片に想いを馳せ る縁として、あるいは志ある者の導として、より精緻な編年の礎となる ことを切に願う。そして来るべき日、新たな生命を得て拍動する文脈の、 若々しい煌きを待ち望む。
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